勝つためのコツはあります。

ですが、ここでははその具体的な内容を研修内でお伝えすることは極力避けて、最小限の説明に留めます。 MG研修は、受講される方皆様が経営者であり、主役になります。“ ゲームの目標 ” としては、「より多くの利益を上げて純資産を増やすこと」ですが、“ 研修の目的 ” としては、「ゲームの結果を実務に置き換えして、今後のお仕事に役立てていただくこと」にあります。 そのためには、受講生お一人お一人が、

  • 利益を上げるために、何をすべきかを真剣に考える。
  • それを実際にゲームでやってみて、その結果数字がどういう動きをしたのか?
  • そのチップの動きを自分の仕事に活かすなら、どういうことをすれば良いのか?

といったことを自ら経験して気づきを得ていただくことが重要になります。 上記の理由から、ゲームに勝つためのコツや必勝法といった具体的な内容はお伝えしません。 受講生の皆様には試行錯誤していただき、自らゲームでやってみて、その答えを出していただきたいと考えております。

受講された多くの方に見受けられる“ つまづき ”

とはいえ多くの方が、マネジメントゲームで勝つためのコツを知りたくてこのページを読まれていることだと思います。せっかくですので、多くの受講生に見受けられる “ つまづき ” をご紹介します。

1.競合他社の動きに敏感に反応できていない。

受講生の皆さんは、自分の会社の事で精一杯になってしまい、周りを見る余裕がありません。しかし、これは現実の世界でいうところの、競合調査を行わないのと同じことなのです。そんなこと、普通はありえませんよね。

【MG研修のおすすめ】の1つに「カンニング」というものがあります。積極的に他社の会社盤(各社の現況が把握できるもの)の状況を盗み取ってくださいというものです。カンニングとは、前向きな情報収集のことを言います。

この情報収集ができるようになると、

  • 「競合他社に製品在庫がないな」 → 「よし、今が独占で売れるチャンスだ!」
  • 「他社は研究開発を行っていないな」 → 「いち早く開発に着手して、付加価値を上げていこう!」
  • 「競合は設備投資に消極的だな」 → 「大型設備の導入で、大量生産からシェア拡大を図ろう!」

こんなことが見えてくるようになるのです。 そこから得られた情報によって自社の施策を考える。ゲームの世界でも、現実の世界でも非常に重要なことです。

この会社盤の動きをみることが、自分の現実の会社では何にあたるのかを考えることで実務への置き換えをすることも可能になります。

2.部分にこだわりすぎている。

ゲームの世界でも現実の世界でも、会社にとって重要なことは「部分最適」ではなく、「全体最適」です。受講される方は、どこかに特化して企業の収益力を上げようとしますが、それはつまづきのひとつになります。

例えば、生産する能力は高いものの、販売する能力が低ければ、過剰生産設備(固定費率上昇)や過剰在庫に繋がります。一方、販売する能力は高いものの、生産する能力が低ければ、人件費・広告費の固定費上昇に繋がります。

この様に、どこか特化して能力を上げることが、収益力の増加に繋がるとは限らないのです。こんなことも、ゲームを通して体験することができます。

3.先を読んで早めに手を打てていない。

MG研修では、「経営環境の変化を察知して、先を見ながら経営をする」ということを経営者の立場に立って実践してもらいます。目の前の一手に夢中になり、「木を見て森を見ず」の判断によって様々なつまづきをしてしまう受講生の方が多くいらっしゃいます。

例えば、

  • 期中の資金繰りばかり注意を払い、年度末に支払う給与(年俸制)の額、製造経費の額、諸経費等を考えていなかったばかりに、期末に資金ショートしてしまった。
  • 借入金の融資枠が純資産の倍額までということを考慮せず、大赤字による純資産の減少で次期の借入可能額が大幅に減ってしまった。
  • 自社がどの方向へ経営の舵を取るか決めていなかったため、無駄な設備や経費にお金を掛けてしまった。

などは、良く見られるその典型と言えます。

現実の世界で資金ショートするれば「倒産」です。そうならないように先を見ながら経営することや、資金繰りの緊張感をMG研修では体験することができます。

4.市場の動向を見切れていない。

競合他社の動きと同じくらい、市場の動向にも注視しなくてはなりません。市場には様々な利益を生み出すチャンスが潜んでいますが、それを見逃してしまう受講生の方が多くいらっしゃいます。

MGでは、市場が6つのエリアに分かれており、各市場により販売できる製品の最高単価や仕入られる材料の購入単価が異なります。それを踏まえ、購入単価の安いエリアから材料を仕入れられるのに、それほど重要ではない他の意思決定をしてそのチャンスを見逃してしまうというのは、市場を見切れていない典型です。この意思決定により、「材料の平均単価を下げ、一個当たりの利益を増やす」というチャンスを逃しているのです。

逆もまたしかりです。販売単価を高く売れるマーケットがあるのに、なぜかそこで販売を仕掛けない方がいます。この一手で、「製品の販売単価を上げて、一個当たりの利益を増やす」というチャンスを逃しているのです。

MG研修で市場の動向に注視する習慣がつけば、現実の世界でも自社を取り巻く市場環境に興味を抱くようになります。

5.利益が生まれるメカニズムを捉えていない。

多くの受講生の方は、利益が生まれるメカニズムを無視して、目先の入札競争に勝つことや資金繰りを潤すことに集中してしまいがちです。その結果、「売上が上がれば利益は増えるでしょ?」と言わんばかりに、皆さん「変動原価」の金額を無視して 安売りして売りまくろうとします。「

値決めの最低ラインは変動原価の額」というビジネスの王道を無視して落札していくのです。「1.5」で製造したものを、「1.4」で売る。売れば売るほど赤字の状態であることに気付かずに。

とは言っても、最初はそういう認識でゲームを進めていただいて構いません。ゲームが進行するにつれて、色々なことにご自身で気づいていくのです。それが、MG研修では大切なことです。 そして、3期が終わると、利益生まれるメカニズムをシンプルにまとめた「戦略会計」を学んでいただきます。そこで、今までの自分の経営を振り返ることができます。

「まずはやってみる。やってみてわからないところを確かめてみる。確かめられたら次に進む。」というように、「体験を先に、理論は後から」というのが、MG研修の大きな特徴になっています。

「戦略会計」「STRAC」はマネジメント・カレッジ株式会社の登録商標です。

6.記帳をあせってしまい数字が合わない。

「ゲーム中(期中)の取引内容を資金繰り表へ記帳する際、誤って数字を記入してしまう。」 これはよくあることです。ただ、この資金繰り表をベースに決算書を作成していくため、このベースとなる数字が間違っていると連鎖的に決算書まで合わなくなります。

集計ミスであればやり直しがきくのですが、取引した際の記帳が間違っていると記憶をたどらなくてはならなくなります。取引の内容に従って「チップを動かす」ことと「資金繰り表に記帳する」ことは、落ち着いて慎重に行うように心懸けましょう。

7.非効率な経営を行ってしまっている。

赤字の要因は数多くありますが、そのひとつは「無駄なところにお金を掛けてしまった」ということになります。これは、ゲームに慣れていない段階で、受講生がよくつまずくところです。

例えば、

  • 広告に沢山経費を掛けたのに、製品在庫(生産)が少なくて、そんな販売能力が必要なかった。
  • 1期(会計期間)の後の方で広告や研究開発を行ったが、結局一度も入札できず無駄になった。
  • ワーカー(機械を動かす従業員)が2人いるのに、機械が1台しかない(人件費上昇)。あるいは逆に、ワーカーが1人しかいないのに、機械が2台ある。(製造経費上昇)
  • 生産活動(材料の投入や製品の完成)を、自社の生産能力最大で行っていない。(稼働効率が悪い)

などが、良く見かける非効率経営の一部です。

全て固定費の上昇に繋がるところですが、この経費削減の実践により、数字がどう変化するのか? を体感できるのも、MG研修ならではの学びとなります。ぜひ、その観点を現実の自分の仕事でも活かしていただきたいです。

8.計画数値を忘れてしまっている。

3期が終わると、「戦略会計」を学んで頂くことは、すでにお伝えしましたが、それに基づいて、第4期の経営計画を立てていきます。しかし、せっかく作成したこの経営計画、その数値を意識せずに第4期の経営(ゲーム)をおこなってしまう方がほとんどなのです。これは実に悲しい事です。

なぜならば、設定した「販売単価」や「変動原価」を無視して経営を行うと、計画利益は実績と大きく乖離します。計画した販売単価が「3.0」という金額にも関わらず、「2.2!」とか「2.0!」で入札を掛けてしまったら、明らかに目標数値をクリアできないですよね。 どのようにしたら、「3.0」で落札することができるのか? をとことん考えなくてはならないのです。

MG研修での計画実行に関しては、販売単価と原価(仕入)はしっかりと意識して経営をしていただきたいところです。もちろん、この計画数字への執着は、現実の世界でも強く持たなくてはならない部分です。 是非、MG研修では、計画数字に執着していただきたいと思います。

まとめ

ここまで多くの受講生に見受けられる “ つまづき ” をご紹介してきましたが、これはほんの一例です。

全てをお伝えしてしまうと、体験学習であるMG研修の意義が薄れてしまいますので、実際に受講される前に読んでおいていただくと、研修がより充実するであろうものだけをご紹介いたしました。

「具体的にこうすると解決できます」といった明確な回答は避けています。どのようにクリアするかは、実際に受講し、自ら体験して学んでいただきたいと思います。